猫は何を嫌うのか?吉野さんに尋ねてみた

1.水分補給をしやすく心がけてあげる

猫はとても愛らしい動物でペットとして最適です。

飼い主は好むおもちゃをたくさん買ってあげ、栄養価が高くて味の良いキャットフードを与えます。

しかし好きな物を把握しているだけでは、完全にその習性を学んだとは言えません。

嫌いな物まで網羅することで、より健康で長生きさせることができます。

私の友人で吉野勝秀さんという人がいるのですが、猫のことなら吉野さんに聞けばだいたい何でも教えてくれます。

※詳しくは「吉野勝秀も好きな、白い靴を履いたイタズラ好きな甘えん坊」もご覧ください^^

猫は犬よりも水飲みの回数が少ないです。

水嫌いなのは祖先であるリビアヤマネコが砂漠地帯に生息していたため、あまり水を飲まなくても生きていける生態になったとされます。

普段の行動を観察するだけでも水を飲みたがらないのは分かりますが、尿の色が濃い黄色をしているのも少ない水分に濃縮されているのだと理解できます。

しかし全く水が必要なわけではありません。

生命維持のために最低限の水分摂取が大切で、体重1gあたり60ml~70mlは飲むのが基準となっています。

筋肉は水分を溜め込む性質があるので、筋肉量の多い個体だと他よりも少ない水分量で過ごせます。

水分不足に陥ると皮膚のハリがなくなり毛艶も悪く見えます。

暑い場所に長時間いて吐き気や下痢を引き起こすのは、人間の水分不足と同じです。

慢性的な水分不足は腎臓の病気にかかりやすくなるため、喉が渇いた時に自然と水を飲めるように飼い主は努めなければなりません。

家の中でよく通る場所に水飲み場を作ったり、水温を体温に近づけてこまめに新鮮なものに取り替えたりします。

多頭飼いしている家庭では他が口を付けた容器に自分が口を付けるのを嫌う場合があり、個別に容器を準備します。

2.猫に不快感を与えないためにも注意したいこと

人間と同じように好みがあって好きな素材や色を把握しておきます。

猫は赤色は感知できませんが、青色や黄色、緑色は分かるとされます。

水分含有量が多いウェットフードを利用するのも効果的です。

人間にとっては当たり前の生活音も猫はストレスを感じやすいため、嫌いな音からなるべく遠ざけるように注意します。

掃除機や走り回る音のような大きな音は嫌います。

人間同士でも限度が過ぎれば騒音トラブルになってしまうような生活音です。

音に敏感だと飼い主の大きなくしゃみにもビックリしてしまいます。男性特有の低くて唸るような声も好かれません。

このような音は捕食動物が狩りをする時の音と似ているので、動物好きでも声の低い男性は逃げられてしまいます。

嫌いな音の共通点を探す時に「音程の法則」が役に立ちます。

アメリカの博物学者であるモートンが提唱したもので、低く唸るような声は不安や怒りなどのマイナスな感情を引き出し高くささやくような声は興奮や喜びを与えるとされます。

しつけのために大きくて渋い声で話しかけても萎縮させてしまうだけということです。

高い音全てが好きな音というわけではなく、金属同士がぶつかり合う時の甲高い音はできるだけ聞かせないようにします。

10歳以上にこの音を聞かせるとてんかん発作を引き起こす恐れがあります。

食事の時間を知らせるために食器をスプーンでカンカン鳴らすのは危険です。

3.猫は本能的に蛇が嫌い

野菜の中ではダントツできゅうりを怖がります。

反応が可愛くてついきゅうりを近づけてしまう飼い主も多いです。

美味しそうに食事している後ろでこっそりきゅうりを置くと、それに気づいた猫が大きく飛び上がって驚くという動画が投稿されたのをきっかけに知られるようになりました。

きゅうりが嫌いな理由はヘビに似ているからというのが最有力です。

祖先のリビアヤマネコが暮らす砂漠地帯で注意しなければならないのがヘビでした。

貴重な食料源として捕食することが可能な身体能力を持ちますが、捕まえようとしたヘビが毒を持っていれば命に関わります。

毒を持つヘビが砂漠地帯ではとても強かったので、ヘビは危ないと本能に刷り込まれています。

また単純に知らない物を近づけられてビックリしたという側面もあります。

投稿された動画は面白くて可愛い物として拡散されましたが、大切に飼いたいならば真似をしない方が良いです。

飛び上がったことが原因で怪我を負ってしまう可能性があり、骨折させたらその治療で心身に負担をかけることになります。

飼い主にとっては面白いイタズラでも今まで築いてきた信頼関係は崩壊しかねません。

飼い主を信頼できないと過剰に警戒し、飼い主に頼らなくても生きていけるようにいつでも攻撃できる姿勢を保ちます。

トラウマを植え付けてしまうと元には戻せないことを覚えておきましょう。

輪切りにするなど形状を変えればヘビに見えないのできゅうりに対する恐怖心もありません。

危険な成分が入っているわけではないので、絶対に食べさせたい物ではありませんが水分を摂らせる目的で与えてみても良いです。

個体差があって嫌いな物に対し強く拒否反応を示す個体もいれば、反応が薄く落ち着いている個体もいます。

飼い主は一緒に暮らしていく中で愛猫が何を嫌がっているかをきちんと理解し、ストレスのない環境で過ごせるように整えてあげることが重要です。

最終更新日 2025年7月5日 by kyubei